総合診療科

8(中毒)ネギ中毒 犬猫

ネギ中毒とは、犬および猫がネギ属の植物(食べ物)を食べることで起こる中毒で、血液の赤血球に障害が起こり貧血を呈する病気です。ネギ属の植物には、主にネギ、タマネギ、にんにく、ニラ、らっきょなどがあります。これらの食品は加熱処理されていても、乾燥加工されていても中毒を起こします。中毒摂取量としては、タマネギで体重1kgあたり15~30gで貧血などの症状を起こすとされています。特に秋田県や柴犬はネギ中毒に対する感受性が高いと言われています。

ネギ中毒の症状の発症は、食品摂取後1日から数日で症状が発現し、症状が完全に消失するには重症の場合10日以上かかる場合があり、摂取後14日間は注意が必要です。

症状は嘔吐、軟便、下痢、腹部痛、食欲低下、活動性の低下、脱水などが初期に観察されます。貧血が進行すると粘膜の蒼白、虚脱、呼吸数や心拍数の増加、黄疸、赤色あるいは褐色尿が排泄されます。

治療

ネギ中毒に対する解毒剤や特別な治療は存在しません。ネギ摂取が明らかで、摂取後数時間以内であれば催吐処置(吐かせる)が有効です。重症の場合は症状に合わせた対処療法が必要になります。

ネギを食べた場合にはすぐに病院にお連れください。