2 膝蓋骨内方脱臼
膝蓋骨脱臼整復手術 Patellar Luxation
膝蓋骨脱臼は先天性・発育性脱臼が大半を占める疾患ですが、外傷性の場合も見られます。多くは内方脱臼が多数を占めますが、外方あるいは両側に脱臼する場合も見られます。
中〜大型犬より小型犬種で多く見られます。
膝蓋骨脱臼は4段階のグレードがあり、グレード2以上で疼痛や跛行が認められたり、グレードが進行性の場合は手術が適応されます。
グレード1:膝蓋骨手で脱臼させられるが、圧迫を解除すると正常位に戻る。
グレード2:膝関節の屈曲時に自然に脱臼する。膝関節を伸展し脛骨を回転させると正常位に戻る。
グレード3:大部分は膝蓋骨は脱臼したままであるが、関節を伸展させると手で整復することができる。
グレード4:膝蓋骨は常時脱臼しており、手で整復することができない。
膝蓋骨脱臼の手術は、脛骨粗面移植、滑車形成術、外側関節包の縫縮、軟部組織の調整等を組み合わせて行います。
膝蓋骨内方脱臼整復手術 術前および術後写真
左の写真は手術前のレントゲンです。矢印の丸い骨が膝蓋骨です。膝蓋骨は正常では膝の中央に位置しているのですが、この写真では膝の内側に変位しています。
中央の写真は手術後のレントゲンになります。膝蓋骨が正常な位置である膝の中央に戻っています。
右の写真は手術後のレントゲンで横からの撮影になります。