軟部外科

1 避妊・去勢手術について

避妊・去勢手術

避妊手術とは雌犬猫の卵巣および子宮を摘出する手術で、去勢手術とは雄犬猫の精巣を摘出する手術のことをいいます。
これらの手術は生後6か月を過ぎてから行うことができますが、必ず必要というわけではありません。手術をすることによりメリット、デメリットが生じますので、よく検討して行うようにしましょう。

 

避妊手術のメリット

1 望まない妊娠を避けることができる。

2 子宮の病気(子宮蓄膿症 子宮内膜炎など)、卵巣の病気(卵巣嚢腫など)を防ぐことができる。

3 乳腺腫瘍の発生を抑えることができる。

乳腺腫瘍の発生率
・初めての発情期の前の避妊手術        0.05%
・初めての発情と2度目の発情の間の避妊手術   8%
・2度目の発情の後の避妊手術          26%

4 発情に伴う体調の変化やストレスを避けることができる。
ネコちゃんでは発情時の鳴き声がおさまり、逃走や放浪癖が少なくなる。

5 偽妊娠(想像妊娠:乳腺の腫脹や乳汁分泌など)を避けることができる。

 

去勢手術のメリット

1 望まない妊娠をさせてしまうことを防ぐことができる。

2 精巣腫瘍、前立腺肥大、性ホルモン関連性腫瘍(肛門周囲腺腫など)、会陰ヘルニアなどの病気を予防できる。

3 マーキングやマウンティング、遠吠え、他の犬とのけんかなどの問題行動を改善する可能性がある。
ネコちゃんではスプレー行為(においづけ)、逃走や放浪癖が少なくなる。

4 性格が穏やかになり、雌を追い求める発情のストレスから解放される。

 

避妊去勢手術のデメリット

1 全身麻酔下で開腹手術を行うので、麻酔や手術のリスクがある。

2 太りやすくなります。

3 まれに毛質が変わることがあります。

4 まれに尿漏れなどの症状が現れることがあります。

5 妊娠できなくなります。

 

避妊去勢手術をご希望の方は、お電話にてご予約ください。
手術当日は絶食、絶水にて午前11時までに来院してください。麻酔に対する術前検査、血液検査を行います。

術前検査、血液検査に異常が認められる場合には手術を延期する場合があります。

当病院では術後2泊3日の入院をお願いしております。これは手術後の異常等がないかをしっかり確認するために必要です。

退院後は自宅にて管理してもらう必要があります。
エリザベスカラーや腹帯(洋服)等をして手術層を舐めないようにしてください。
手術層が完全によくなるには手術してから10日間は必要になります。その間は動物をなるべく監視できるようにしてください。