軟部外科

5 脾臓摘出手術

脾臓摘出手術

脾臓は動物の左中腹部に位置する臓器で、免疫に関する細胞や血液を造ったり壊したりする機能をもちます。
脾臓の腫瘤(できもの)には、悪性腫瘍、良性腫瘍、腫瘍以外など様々なものがあります。
ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

 

血管肉腫

血管肉腫は高齢の犬に発生しやすい、非常に悪性度の高い腫瘍です。
腫瘍からの出血による貧血、元気消失、腫瘍そのものによる腹囲膨満が起こりやすい症状です。広範囲に転移を起こしやすい腫瘍で、特に肝臓や心臓に転移が見られます。外科手術で脾臓を摘出することが最も有効な治療法ですが、転移している場合には化学療法(抗癌剤)を行うこともあります。

 

リンパ腫

リンパ腫は、造血器系の腫瘍の転移として脾臓に認められることもありますし、脾臓に限局して認められることもあります。化学療法(抗癌剤)が第一選択治療となりますが、外科手術をすることもあります。

 

肥満細胞腫

脾臓の肥満細胞腫は猫に起こりやすい悪性腫瘍です。針吸引生検(細い針を腫瘍に刺して細胞を調べること)で診断することができます。腫瘍が脾臓に限局している場合は外科手術が適応となりますが、他の臓器や皮膚にも認められる場合には化学療法(抗癌剤)を行います。

 

血腫、結節性過形成

腫瘍性病変ではなく、老齢性の変化などで脾臓に腫瘤が出来る事もあります。転移などの可能性はありませんが、出血を起こし、命に係わることもあるので外科手術が適応となります。

 

猫の脾臓肥満細胞腫

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犬の脾臓血管肉腫

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